ニュースリリースNEWS RELEASE

  1. HOME > ニュースリリース > FDIコラム(タイの会計税務)第7回 配当

ニュースリリースNEWS RELEASE

FDIコラム(タイの会計税務)第7回 配当

2020/06/23

 タイの会計税務制度について解説していく当コラム、第7回は、利益剰余金に関連して配当を扱います。配当は、日系企業タイ法人が親会社に投資資金を還元する手段として一般的に用いられます。今回は、その手続き、留意点等について記載します。なお、本稿においては日系企業タイ法人に多い、非公開会社を前提としています。

 まず手続きですが、配当を行う際は、原則として株主総会(普通決議)により株主の承認を得る必要があります。ただし取締役が、会社の配当可能利益が十分であると判断した場合には、株主総会決議を経ずに配当することが可能となっています(中間配当)。

 会社の利益剰余金がマイナスの状態では配当ができない点に留意が必要です。これに違反した配当がなされた場合は、株主から配当金の返却を求めるよう、会社に請求する権利を、債権者に認めています。

 また、配当は原則として株式数に比例してなされなければならず、株主によって1株当たりの配当金額に差をつけたい場合は、配当金額に制限を設けた種類株式を予め発行しておく必要があります。親会社の他にタイ株主がいる場合等、注意が必要です。

 次に会計税務面です。会計上注意が必要なのは、配当する際、利益の5%を登録資本金の10%(別途附属定款で定めている場合は除く)に達するまで、準備金として繰り入れる点です。この場合の「利益」が何を指すかについては議論があるため、別途ご相談ください。

 また、税務面としては、配当には源泉税(原則10%)が課されます。国外への配当についは、租税条約に従いますのでご留意ください。

 最後に、日本において配当と並び株主への利益還元方法として用いられる、自己株式の取得については、タイの非公開会社においては認められていません。 

                             (日本国公認会計士 野口 直宏)