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FDIコラム(タイの会計税務)第6回 減資

2020/05/29

 タイの会計税務制度について解説していく当コラム、第6回は、資本金に関連して減資を扱います。タイにおいては、資本金500万バーツ以下(かつ、年度収益が3,000万バーツ以下)の中小企業に対して軽減税率が適用されることもあり、減資を検討される企業が多くあります。また、今般のCOVID-19による経済への深刻な影響により、撤退・縮小のために減資を検討せざるを得ない場面も想定されるため、基本的な手続きを押さえておく必要があります。なお、本稿においては日系企業タイ法人に多い、非公開会社を前提としています。

 

 減資の基本的な手続きおよび留意点は下記のとおりです。

  • 株主総会の特別決議
    • 開催日の14日前までの招集通知の新聞公告が必要となります。
  • 減資に関する登記
    • 株主総会決議から14日以内の手続きが必要となります。
  • 債権者保護手続き
    • 地方紙への公告及び全債権者への通知が必要となります。
  • 減資の実施、定款変更とその登記
    • 30日間の債権者保護手続き後に行う必要があります。

 

 なお、1回の減資で、減資前の金額の1/4未満まで減資することは認められていません。1/4未満の減資をする場合は、2回以上減資を繰り返す必要ある点、留意が必要です。

 

 また、減資時点において、剰余金(法定準備金+剰余金)がある場合、当該剰余金と減資額のいずれか少ない金額が課税対象となり、15%の源泉税が課されます。これは、節税のために配当の代替手段として減資が利用されることを防止することが趣旨となります。

 減資は、増資に比べ手続きが煩雑であり、時間も要します。また税務上の検討も必要となります。しかし、タイでは有効な手段として、しばしば利用される制度となっています。

 

                             (日本国公認会計士 野口 直宏)